『リシャール・ミルは、時計を超えた存在です』

リシャール・ミルの時計は
必ずレース中に着用します

「それは2013年のことでした」と、彼は明確に応えた。F1ドライバー、ロマン・グロージャンへのインタビューで、リシャール・ミル氏と最初にあった時期を訊ねたときだ。

「私はジュネーブ生まれのスイス人でもあり、時計は子供の頃から身近な存在でした。実際、本格的な時計を初めて身につけたのは18歳のとき、父からのプレゼントでした。以来、私は大の時計好きとなり、スイス時計業界の事情についてもある程度知っているつもりです。リシャール・ミルがどのようなコンセプトのブランドなのか、これまでどのような時計を開発しているのか……、そのリシャール・ミルの創業者であり、CEOでもあるリシャール・ミルさんに会うことは、たいへん光栄でした。と同時に、何かこう、古い友人に会ったような、不思議な感覚だったことを今でもよく覚えています。それからというもの、朝から晩まで、レース中も含めてリシャール・ミルを手放せなくなりました」

 ロマン・グロージャンが日常で着用しているモデルは自動巻きマイクロローター搭載の超薄型ラウンドケースの『RM 033』、そしてレースに臨むときは自動巻きフライバッククロノグラフ機能を持つ『RM 011』。正式にリシャール・ミルのファミリー メンバーとなったのは翌年の2014年だった。

「さすがにレース中に腕時計を見るということはできませんが、スタートまでの時間管理においては欠かせない存在になっています。レース中は、激しい振動を常に受けながら正確に時を刻み続けていることを確認することが私のミッションでもあるのです。その点においてこれまでトラブルは一切ありません。これまで体感したことのない軽さと装着感、それだけでもこの時計の価値は十分にあると思いますが、私にとって最も重要なのは、常に挑戦し革新を起こしてきたリシャール・ミルの時計をレース中に腕に嵌めるという事実なのです。まさに精神的な支柱ということでしょう。挑戦や革新は、何も無謀なトライを意味するわけではなく、常に正確に時を刻み続ける冷静さが前提であることを、この時計は語りかけてくるのです」

 F1デビュー当時のロマン・グロージャンはレース一周目でのクラッシュが多く、“オープニングラップの狂人”と揶揄されたこともあった。が、2013年を境にレースが安定していることはF1ファンならご存知だろう。

「私は日本の鈴鹿は好きなサーキットのひとつで、表彰台に上がったこともあります。この秋の日本グランプリでも、リシャール・ミルとともに表彰台に上がることを目指したいですね」と、リップサービスも忘れない。

ROMAIN GROSJEAN
ロマン・グロージャン
1986年、スイス・ジュネーブ生まれのレーシング・ドライバー。フランスとの二重国籍を所有しているが、モータースポーツにおいてはフランス国籍で参戦。F1には2009年にルノー・チームでデビュー。2016年に初参戦の新チーム、ハースF1に移籍し現在に至る。グロージャンはレース中でも必ず『RM 011』を着用している。レース中に時刻や経過時間を確認することはできないが、スタート直前までの時間管理には欠かせない存在となっている。

 

 

 

 

 

 


リシャール・ミル
RICHARD MILLE
RM 011 レッドクオーツTPT®

ケースとベゼルにレッドクオーツTPT®&カーボンTPT®を採用した鮮やかなカラーが印象的なフライバッククロノグラフ。レッドクオーツTPT®は何百もの赤いレジンを含んだクオーツファイバー層を積み重ねたもので、このレッドクオーツTPT®を、各層の繊維の方向を45度ずらす特殊な機械を使ってカーボンTPT®層の間に挿入。その後、圧力釜の中で6バールの圧力をかけて120度で加熱する。最終的にはリシャール・ミルのケースファクトリー「プロアート」で仕上げを行い、こうして唯一無二の赤と黒の独特の模様が出現する。世界限定50本(生産終了)。自動巻き。縦45.4×横38.3㎜。レッドラバーストラップ。1840万円(税抜)。問い合わせ/リシャールミルジャパン☎03-5511-1555

 

 


RM 033 オートマティック エクストラフラット
ケースの厚みをわずか6.3㎜に抑えた超薄型ラウンドウォッチ。マイクロローターを搭載した自動巻きムーブメント「RMXP1」は、ボーシェ製リシャール・ミル オリジナルキャリバーで、直径33㎜、厚さ2.6㎜という薄さを実現している。3層構造のケースにラグを一体化させた設計で、裏蓋の絶妙なカーブにより装着感も抜群だ。自動巻き。チタンケース。シースルーバック。ケース径45.7㎜。ラバーストラップ。1060万円(税抜)。