ブライトリングの偉大なヘ遺産への賛辞 『ナビタイマー 8』の未来
2017年の夏にジョージ・カーン氏がCEOに就任し、新たなステージに向けてスタートを切ったブライトリング。
その新生ブライトリングとして初の新作となるパイロットウォッチ・コレクション『ナビタイマー 8』が、バーゼルワールドに先駆けて発表された。
ブライトリングの新たな未来を切り拓く、ビッグコレクションの全貌を明らかにする。
ブライトリングの偉大な過去と
輝かしい未来を繋ぐ使命を担う
「ブライトリングには偉大な歴史があり、それに相応しい実績も残しています。すでに世界で4番目に強い時計ブランドであるブライトリングを、私は再構築しようとは思っていません。私の使命は、ブライトリングを次の新たなステージに導くことなのです」
ブライトリングのCEOとしては初めての取材となったジョージ・カーン氏だが、開口一番、ブライトリングが保有するヘリテージの奥深さを強調した。「昨年、私は徹底的にブライトリングのアーカイブを研究しましたが、それは驚きの連続でした。創業以来、その輝かしいヒストリーはもちろんのこと、所有するカタログ類や、デザイン的、あるいは技術的資産の豊富さは目を見張るばかりでした。私はこの素晴らしい歴史にもっとスポットライトを当て、より多くの人々に伝えるべきだと考えたのです。現在のブライトリングはパイロットウォッチの第一人者というポジショニングであり、当然、アビエーションに軸足を置いた展開なのは言うまでもありません。しかし、ブランドのDNAを掘り下げていくと、“エレガント”“クラシック”“プレミア”“レディス”といったキーワードが浮かび上がってきたのです。ブライトリングにはたくさんの引き出しがあるので、新たなDNAやストーリーをゼロから創り上げる必要はありません。それらの引き出しを的確に開け、そこから新たなイメージを生み出せばいいのです。いままで脇役となっていたDNAをもとにして、私たちが商品作りへの情熱を掻き立てているブランドの新たなイメージは、気品のあるクラシックなクルマに共有する“クール&レトロ”な感性。このイメージをベースにしてブライトリングの素晴らしさを、より幅広い層にアピールしていくことが、次のステージに突き進むブランドの未来戦略だと確信したのです。こうしたビジョンのもとで誕生した最初のコレクションが『ナビタイマー 8』でした」
ちなみに、この名称の中の“8”は、軍民両用のコックピット計器やパイロットウォッチを製造するために1938年に設立されたユイット・アビエーション部門の名に由来している。ブライトリング家の3代目ウィリー・ブライトリングは当時、その誉れ高いコックピット計器が8日間のパワーリザーブを保証していたことから、フランス語で「8」を意味する“ユイット”という言葉をこの部門の名称に取り入れたのだ。
「ナビタイマー 8のオーセンティックなデザイン性は、1940年代のオンボードクロックや当時のブランドのアイコンでもあった軍用腕時計“リファレンス768”に見られるデザイン的特徴からインスパイアされたものです。オンボードクロックの外周に刻まれた独自のノッチや視認性の高いアラビア数字のインデックスはその後のブライトリングのプロダクトの中にDNAとして刻まれた原点であり、小さなくさびとレイルウェイを組み合わせたミニッツスケールと抜群の調和を見せる分針は、1940年代の素晴らしい腕時計を想起させるものです。クラシックなパイロットウォッチとして、そして新たな航空計器としてブライトリングの誇り高き一員となったナビタイマー 8 は、自社開発クロノグラフムーブメントを搭載したトップモデルから3針オートマチックモデルまで、個性豊かな5つのメンバーをいっきにラインアップしました。ブライトリングの偉大な過去と輝かしい未来を繋ぐ新たなフラッグシップになるものと、私は確信しています」
Georges KERN
ジョージ・カーン
1965年、ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。2000年にリシュモン グループに入社。2002年、36歳の若さでIWCのCEOに就任し、手腕を発揮。その後、リシュモン グループ時計部門の責任者を経て、2017年7月より現職。
BREITLING
HERITAGE
1946年度版カタログに掲載されているパイロット用の軍用腕時計(リファレンス768)。周囲に刻みのある回転ベゼルが装備されており、ベゼルを回転させると、文字盤の外周にある三角形のマーカーが移動する。そのマーカーを分針に合わせると、分単位で経過時間を計測できるクロノグラフの役割も担っている。このリファレンス768は、その後派生した多くのバリエーションのベースとなったモデルであり、今回の『ナビタイマー 8』の開発にも多大なインスピレーションを与えている。このようにブライトリングの往年のカタログ類は、まさにヘリテージの宝庫といえる存在なのだ。
ウィリー・ブライトリングが主導したユイット・アビエーション部門は、軍であれ民間であれ、飛行士が厳しい環境下で飛行に臨んでいることを熟知していた。コックピットの計器は高い視認性だけでなく、優れた機能をいかなる厳しい状況下でも発揮しなければならないため、激しい衝撃や振動、極端な温度変化や磁気などへの耐久性を検査する一連の厳しいテストを実施していた。同部門が製造したオンボードクロノグラフもパイロットウォッチも、すべてのテストに合格したものだった。
『ナビタイマー 8』のデザイン的な観点は、ユイット・アビエーション部門が開発したオンボードクロックとナビタイマーの中間というユニークなポジションを占めている。オンボードクロックで確立したベゼル外周に刻まれた独自のノッチパターンや、蛍光塗料を施したインデックスの大きなアラビア数字のタイポグラフィーは、ナビタイマー 8の“クール&レトロ”なデザイン性の高さを決定づけている。
NAVITIMER 8 collection
キャリバー 01を搭載した
ナビタイマー 8のトップモデル
ナビタイマー 8 B01 クロノグラフ 43
初期のオンボードクロックや1940年代のパイロットウォッチにインスパイアされた新コレクション「ナビタイマー 8」のフラッグシップモデル。完全自社開発製造のクロノグラフムーブメント「キャリバー 01」を搭載。シースルーバックから、その精緻な動きを鑑賞できるキャリバー 01は、両方向巻き上げ式ローターにより完全に巻き上げたときのパワーリザーブは70時間以上を誇る。3時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンド、4時30分位置にデイト表示を配置。ステンレスモデルのダイアルはブラックまたはブルーで、3つサブダイアルの色を変えることで美しいコントラストを生み出している。ポインター付き両方向回転式ベゼルを装備。10気圧防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ケース径43㎜。アリゲーターストラップ。83万円(税抜)。問い合わせ/ブライトリング・ジャパン☎03-3436-0011
「ナビタイマー 8」コレクションのなかで、ひと際ラグジュアリーな存在感を放つ、「キャリバー01」を搭載したクロノグラフのレッドゴールドバージョン。シルバーカラーの3つのサブダイアルとブロンズダイアルとのコントラストも美しく、アラビア数字のインデックスや針はケースと同色にすることで、ラグジュアリー感はさらにアップ。クラシカルな雰囲気も強調され、エレガントな着こなしにも合わせやすいクロノグラフになっている。10気圧防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。シースルーバック。ケース径43㎜。アリゲーターストラップ。228万円(税抜)
1951年に誕生し、人気を博したワールドタイマーを継承。タイムゾーンを超えたときは、リューズ操作により時針のみを動かすことで簡単に現地時間に合わせられ、6時位置のデイト表示も自動的に切り替わる。現在時刻が分かっている都市を12時位置に合わせると、反時計回りに回転する24時間リングが世界各都市の時刻を表示。自社設計製造の「キャリバー35」を搭載。パワーリザーブは70時間以上。10気圧防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ステンレススチールケース。ケース径43㎜。アリゲーターストラップ。88万円(税抜)。今秋発売予定。
信頼性の高い「キャリバー13」を搭載したクロノグラフ。12時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンドを装備している。タイム計測の精度は4分の1秒単位。片方向巻き上げ式の自動巻き機構を備え、パワーリザーブは42時間以上。ポインター付きの回転ベゼルを備える。3時位置にデイデイト表示。ダイアルはワントーンで、ブラックまたはブルーの2種類。レザーストラップのほかにブレスレットも用意されている。10気圧防水。C.O.S.C.公認クロノメーター。DLCコーティングステンレススチールケース。ケース径43㎜。74万円(税抜)。
1930年代から1940年代にかけてパイロットに好まれた腕時計のスタイルを踏襲し、日付と曜日を目立つ位置に配置したデイデイトモデル。白地に黒の大きな文字で書かれた曜日は、11時から1時位置にかけての幅広い窓に表示。対する6時位置のデイトウィンドウも視認性は抜群で、ダイアル上に美しい対称性も生まれている。回転ベゼルを装備。ダイアルはブラックまたはブルーで、ブレスレットモデルも用意されている。10気圧防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ステンレススチールケース。ケース径41㎜。レザーストラップ。45万円(税抜)。今秋発売予定。
時、分、秒、日付のみを表示するベーシックモデル。大きなアラビア数字や蛍光塗料が塗布された時分針などシンプルで視認性の高いデザインは、1930年代から1940年代に一世を風靡したブライトリングの伝説的なパイロットウォッチ『リファレンス768』を彷彿とさせる。直径41㎜のケースには、両方向巻き上げ式でパワーリザーブ40時間以上の「キャリバー17」を搭載。両方向回転式ベゼルには指がかりのよい刻みが入り、ポインターを使って経過時間を計測できる。10気圧防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ステンレススチールケース&ブレス。46万円(税抜)。