H.MOSER & Cie. /H.モーザー

2016年以来、SIHHに参加し、スイス伝統のオーセンティックなエレガンスに挑発的な主張を込めた新作で話題を呼んでいるH.モーザーだが、今年のニューフェイスも意欲的な作品が目白押しだった。なかでも『ベンチャー・コンセプト ブルーラグーン』は、H.モーザーならではの“コンセプト”シリーズの存在感を明確にした美しいコレクションとして日本でも大いに注目を集めそうだ。問い合わせ/イースト・ジャパン☎03-6274-6120

新作“コンセプト”で見せる
不動のモーザー・スタイル

   “コンセプトウォッチ”流行りだった時計業界において、他とは明確に一線を画していたH.モーザーの“コンセプトウォッチ”が登場したのは2015年のこと。ブランドロゴも、インデックスも一切ない、世界で最もシンプルな表示として、H.モーザーの受け継がれる起業家精神を表したかのような渾身作だった。ブランドロイヤリティに頼り切った大手時計メーカーを尻目に、“時計は中身とデザインだ”という主張は、胸のすく衝撃だった。ただし、この“快挙”には前提があった。文字盤の周囲からセンターにかけてのグラデーションが奏でる気品あるフュメダイアルと、優美なラウンドケースのオーセンティックなフォルムとが生み出す独自のエステティックスは、時計に精通している人なら誰でもひと目で“H.モーザー”とわかるアイコンになっていたからだ。

   世界中から絶賛されたコンセプトウォッチは、その後、バリエーションを拡大し、H.モーザーならではの独自の路線を歩んでいく。そしてもうひとつの重要な鍵が“カラー”だ。ファンキーブルーやコズミックグリーンといった、鮮やかで絶妙な中間色によるフュメダイアルの登場により、“コンセプト”に色を添え好評を博している。今回の『ベンチャー・コンセプト ブルーラグーン』は、この文脈から誕生した新作だ。ケース径39㎜のベンチャーシリーズでは初めてのコンセプト・バージョンであり、ターコイズブルーを思わせる鮮烈なダイアルが印象的だ。光の加減や見る角度によってブルーにもグリーンにも見えるカラーリングの絶妙さは、まさにフュメ・マジック。セクシーなエレガントと挑発的な気品を兼ね備えたベンチャー・コンセプト ブルーラグーンは、紛れもなくH.モーザー・スタイルの真骨頂といえるだろう。

   さらにH.モーザーにとって重要な技術的マイルストーンともいえる、独自の時刻表示方法を提案した『エンデバー・フライングアワーズ ファンキーブルー』や、“シンプル イズ ベスト”というミニマリズムの哲学を具現化したピュリティ・デザインに新たに加わったビッグデイトモデルなど、エレガントなコンプリケーションも今年の見所だ。

南の島の海を思わせる
ターコイズブルーを採用

ベンチャー・コンセプト ブルーラグーン

ロゴもインデックスも持たない、ミニマリズムを追求したコンセプトシリーズ「ベンチャー・コンセプト」に新しいフュメカラー、ブルーラグーンを採用。リゾートの島の美しい海を思わせる鮮やかなターコイズブルーのフュメダイアルは、ミニマリストのラグジュアリーを主張する。レッドゴールドケース(写真)とホワイトゴールドケースの2種類をラインアップ。ストラップは網目模様のレザーストラップ(写真)とベージュのクーズーストラップの2種類。世界限定20本。手巻き。シースルーバック。ケース径39㎜。265万円(税抜)。


厚さ11.9㎜のエレガントなケースに収められた自社製の手巻きキャリバー「HMC327」は、72時間のパワーリザーブを実現。シースルーバック側にパワーリザーブ表示を備える。ブレゲヒゲを備えたオリジナルのシュトラウマン・ヘアスプリングを装備。

NEW COLLECTION

エンデバー・フライングアワーズ
ファンキーブルー

H.モーザーを象徴するファンキーブルーダイアルの中央には240°で分を表示するサファイアのディスクがあり、その周りに時間の数字が記された3つのディスクを配置。世界限定60本。自動巻き。ホワイトゴールドケース。シースルーバック。ケース径42㎜。クーズーストラップ。390万円(税抜・予価)。今夏発売予定。

 ベンチャー・ビッグデイト ピュリティ
シグネチャーフュメ

12時、3時、6時、9時のインデックスと上下2枚のディスクによるビッグデイトのみのシンプルなダイアルが特徴。確実に日付調整を行える独自のダブルプルクラウン機構を搭載。7日間パワーリザーブ。世界限定50本。手巻き。レッドゴールドケース。シースルーバック。ケース径41.5㎜。クーズーストラップ。365万円(税抜)。