究極のU-BOATスタイル
日本再上陸を果たした
ユーボート独自の表現力
物語の始まりは、1942年のことだった。その年、イタリア海軍のための特殊な潜水用腕時計の開発を依頼されたのが、イタリア、トスカーナに拠点を構えていたオフィス・フォンタナ社だった。しかし、設計図は完成させたものの、戦況の悪化により時計の開発は中止となり、その軍用時計は実現に至らなかった。それから約半世紀後、幻となった軍用時計の設計図に強くインスパイアされた人物がいた。フォンタナ社の創業者イルボ・フォンタナの孫にあたるデザイナーのイタロ・フォンタナ氏だった。
「それは大振りのリューズをケース左サイドに装備した非常に印象的な潜水時計でした。軍事作戦のための特殊な時計でしたが、実に優雅であり、現在の腕時計としての実用性も備えていたのです」と、イタロ・フォンタナ氏は振り返った。そして彼は、「その設計図をベースに、幻の腕時計をイタリアらしい独創的かつダイナミックなデザインで現代に蘇らせようと考えたのです」と続けた。2000年、シンボリックな左側に位置するクラウンとリューズ引出しシステム(特許取得)など個性的な機能を搭載した腕時計の開発に成功し、ドイツの潜水艦の名にちなんだ『U-BOAT』(ユーボート)という時計ブランドを立ち上げたのだ。そのユニークなスタイルが多くのセレブリティたちを魅了し、数年後には世界的な展開を実現。実際、日本への上陸も果たし、伝統的なスイス時計とは一味違うスタイルを求める時計愛好家の心を奪っていった。が、フィレンツェの選りすぐられた職人たちのハンドメイドによるメイド・イン・イタリアへのこだわり故か、生産が安定しなかったこともあり、日本市場ではフェイドアウトしていったのが実情だった。
そのユーボートが、今年、再び日本市場に本格的に導入されることが決定した。
「日本市場に再び参入することは私たちが最も望んでいたことです」と語るのはイタロ・フォンタナ氏。「ここ数年、ユーボートはデザイン的にもさらにブラッシュアップし、とくにキメラ シリーズで大成功を収めたスケルトンバージョンを、フラッグシップのクラシコ シリーズで表現したモデルは、メカにもデザインにもこだわりを持つ日本の時計愛好家を意識した、ある意味で最もユーボートらしい自信のタイムピースです」
Italo FONTANA
イタロ・フォンタナ
祖父イルボ・フォンタナが、1942年にイタリア海軍のためにデザインしたが生産されなかった幻の時計にインスパイアされ、2000年、ユーボートを設立。ミリタリーウォッチをルーツとする独創的スタイルを創り出し、多くのセレブを魅了している。
U-BOAT/ユーボート
クラシコ 45チタニオ タングステーノ
スケルトン Ref.8060
トレードマークの左リューズを備えたケースは、マットタングステンベゼルリング付きのチタン製。金属の中で最も硬いタングステンの使用や特許取得のリューズ引き出しシステムなど、ユーボートならではの技術が搭載されている。存在感のある直径45㎜のケースにスケルトンムーブメントを搭載することで、インダストリアルな雰囲気も加わった。世界限定299本。10気圧防水。自動巻き。シースルーバック。アリゲーターストラップ。
88万円(税抜)。
問い合わせ/ユーロパッション☎03-5295-0411
12時位置の「U」の文字と4と8の数字を強調した印象的なデザインはクラシコシリーズの定番スタイル。大きなインデックスにより高い視認性を確保しつつ、2層構造のダイアルの下層と針の先端に施されたベージュのスーパールミノバがヴィンテージ感を演出。撥水加工が施されたカーフストラップを採用。10気圧防水。自動巻き。ステンレススチールケース。シースルーバック。ケース径47㎜。
29万円(税抜)。
ケースバックはシースルーバック仕様となっており、ムーブメントの動きを鑑賞することができる。“U-BOAT”の文字が削り出された回転ローターも印象的だ。
ミリタリーテイストの重厚感あふれるケースと、個性的な発色の上品なマザーオブパールダイアルとの組み合わせがユニーク。4時位置に24時間表示、9時位置にデイト表示を備え、シースルーバックからは自動巻きムーブメントの動きを堪能できる。色落ち防止加工を施したカーフストラップも味わい深い。世界限定999本。10気圧防水。自動巻き。ステンレススチールケース。ケース径43㎜。
73万円(税抜)。