ブライトリング「プレミエ」誕生

エレガントなスタイルを強調した
ブライトリングの新コレクション

 2017年、現在の経営体制に移行し新たなスタート切ったブライトリングにとって、2番目となる新コレクションが発表された。それがエレガントなスタイルを強調したプレミエ・コレクションだ。“プレミエ”は1940年代、ブライトリングの歴史のなかで初めてブランドのプレステージ性を示し、綺羅星のごとく輝いた重要なモデルネームであり、当時のコンセプトを現在の卓越したクオリティとパフォーマンス、そして高いデザイン性によって新たに解釈し、表現したのが、今回のプレミエ・コレクションだ。
 1940年代の幕開けは、その前年に勃発したドイツ軍のポーランド侵攻の陰を引きずり、暗澹たる時代の空気の中にあったに違いない。その後、紛争が世界規模に拡大していったことは周知の通りだが、“こんな時代だからこそ”と英断したウィリー・ブライトリングの強い意志こそが、プレミエが誕生した背景だった。ウィリー・ブライトリングは1932年にブライトリングの経営を引き継ぎ、半世紀近く、経営のトップを担ったブランド中興の祖だ。時計職人としての才量もさることながら、時代を切り拓く先見の明とリーダーシップ、そして何より時計に対する情熱が、スイス時計業界における稀代の重鎮に押し上げていった。1940年代のブライトリングは、すでに航空業界との密接な関係を持ち、航空用計器やパイロットウォッチの分野で確固たる地位を築いていた。しかし、ウィリーは世界情勢が悲惨になるにつれ、“こんな時代だからこそ”人々は、何かこう、穏やかな日常を感じさせ、できれば少しでもエレガンスや贅沢さを感じさせてくれる、そういう製品を望んでいる、というよりそういう製品が絶対に必要だと、ウィリーは確信したわけだ。こうして開発したのが1943年に登場したプレミエであり、すでに“ブライトリングの製品はプロフェッショナルのための計器である”というスローガンを打ち立てていた当時としては異色の、エレガントなデザインを重視したタイムピースだった。
 新たなプレミエ・コレクションの発表時、ブライトリングの現CEOであるジョージ・カーン氏は、こう語っている。
「新プレミエ・コレクションは、その名前だけでなく、デザインにおいても1940年代に製造されたプレミエ・シリーズからインスピレーションを受けています。世界的な紛争が起きていた当時、そんな時代に上映された映画の名作のように、プレミエのエレガンスは、人々に一種の安らぎを与えたことでしょう。そして、今回のプレミエは日常のエレガンスに目を向けたブライトリング初のモダンなコレクションです。確かなブランドのDNAを受け継ぎながら、機能性とスタイルが見事に調和したコレクションであると確信しています」
 新コレクションには、自社製ムーブメントを搭載した「プレミエ B01 クロノグラフ 42」をはじめ、5つのシリーズが用意されており、その中には超高級自動車メーカー、ベントレーとのパートナーシップを印象づけたグリーンダイアルのクロノグラフもラインアップされ、話題を呼んでいる。まさに、プレミエのプレステージ性を象徴するラインアップといえるだろう。


プレミエは1940年代の
傑作コレクションだった

1930年代から1940年代にかけて航空業界との密接な関係を築き、コックピットクロノグラフなどの航空用計器やパイロット・クロノグラフなどの製造を推し進めていたブライトリングにとって、プレミエの存在は異色だった。プレミエは、世界的に戦況が悪化していた時代だからこそ、人々にエレガンスと安らぎを与える時計を作ろう、と考えた当時の経営者、ウィリー・ブライトリングの強い意志から生まれたモデルだった。航空用回転ベゼルを取り除き、都会的でスタイリッシュなデザインを重視したコレクションだった。1943年に登場し、お洒落に敏感な男性に人気を博し、1950年代中頃までクロノグラフを中心に製造されている。上の写真は1946年に製作されたプレミエの広告である。

写真上は、1943年に登場したプレミエの初期モデル。ヴィーナス社の高級クロノグラフ・ムーブメントを搭載し、インデックスのデザインもスタイリッシュだ。

 

BREITLING PREMIER Collection

BREITLING/ブライトリング
プレミエ B01 クロノグラフ 42

プレミエ・コレクションのフラッグシップモデル。ブライトリングが誇る高性能の自社開発・製造ムーブメント「キャリバー 01」(写真下)を搭載。3時位置に30分積算計、9時位置にスモールセコンドを配した2カウンターのフェイスデザインにも、時代を超越した普遍の美しさが宿る。シルバーのダイアルにブラックのサブダイアルを組み合わせた2トーンカラーも味わい深い。サファイアクリスタルのケースバックからは、70時間のパワーリザーブを確保したコラムホイール搭載のクロノグラフ・ムーブメントの精緻な動きが堪能できる。6時位置にカレンダー表示。100m防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ステンレススチールケース。ケース径42㎜。クロコストラップ。
92万円(税抜)。
問い合わせ/ブライトリング・ジャパン☎03-3436-0011

 

プレミエ B01 クロノグラフ 42
自社ムーブメント「キャリバー 01」搭載のクロノグラフ。ダークブルーのダイアルにブラックのサブダイアルを組み合わせたカラーリングは、シルバー×ブラックとはまた異なるモダンな印象を与える。ブラックのインナーベゼルにホワイトのタキメーター目盛りを採用。100m防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ステンレススチールケース。シースルーバック。ケース径42㎜。クロコストラップ。
92万円(税抜)。

 

プレミエ クロノグラフ 42
プレミエ・コレクションには、自社開発・製造ムーブメント「キャリバー 01」搭載の2カウンタークロノグラフと、信頼性の高い「キャリバー 13」を搭載した3カウンタークロノグラフの2種類がラインアップされている。クロコストラップにはホワイトのステッチが施され、スポーティ感を強調。12時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモールセコンドを装備。6時位置にカレンダー表示。100m防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ステンレススチールケース。ケース径42㎜。クロコストラップ。
64万円(税抜)。
プレミエ クロノグラフ 42
『プレミエ クロノグラフ 42』には、ブルーダイアルの他にブラックダイアルも用意されている。ホワイトのタキメーターリングとブラックダイアルとのシャープなコントラストが印象的だ。12時間積算計、30分積算計、スモールセコンドを搭載。カレンダー表示。100m防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ステンレススチールケース&ブレス。ケース径42㎜。
69万円(税抜)。

 

プレミエ オートマチック 40
プレミエ・コレクションのなかでも最も1940年代のテイストを色濃く滲ませているのが、スモールセコンドモデルだ。ホワイトの分目盛りで囲まれたすっきりとしたダイアルには気品が漂う。ダイアルカラーは、写真のアンスラサイトの他、ブルー、シルバーの3色がラインアップされている。100m防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ステンレススチールケース。ケース径40㎜。クロコストラップ。
44万円(税抜)。

 

プレミエ オートマチック デイ&デイト 40
ダイアルの12時位置に曜日表示、6時位置に日付表示を装備したデイ&デイトモデル。控えめなシルバーダイアルにゴールドカラーの針&インデックス、そしてロゴの“B”マークが映え、エレガントな雰囲気が強調されている。ダイアルカラーはシルバーとブラックの2色展開。100m防水。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ステンレススチールケース。ケース径40㎜。クロコストラップ。
46万円(税抜)。

 

プレミエ・コレクションに
ベントレー エディション登場


プレミエ B01 クロノグラフ 42
ベントレー

ブライトリングは、2003年以来続いている英国の超高級自動車メーカー、ベントレーとのパートナーシップの継続を発表した。今後は「ブライトリング・フォー・ベントレー」という独立したブランドではなく、ブライトリングのなかの特別なベントレー・エディションとして展開していく。そして新コレクションのプレミエにもベントレー・エディションが登場。目を見張るほどに美しいブリティッシュ・レーシング・グリーンのダイアルが印象的なクロノグラフだ。ケースサイドには、1929年製の歴史的名車、ブロワー・ベントレーのダッシュボードから着想を得たプレートが装着されている。自動巻き。C.O.S.C.公認クロノメーター。ステンレススチールケース。シースルーバック。ケース径42㎜。レザーストラップ。
102万円(税抜)。

シースルーバックからは、実用性の高い70時間のパワーリザーブを搭載した自社開発・製造の自動巻きクロノグラフ・ムーブメント「キャリバー 01」が確認できる。